下肢静脈瘤とは、いわゆる足の血管の病気です。
だるさやむくみ、こむら返りなどの症状があり、ほとんどがふくらはぎに起こります。
ふくらはぎのだるさは症状が軽いとただの運動不足に感じたり、むくみなんかは睡眠不足からくることもあるので、
ほとんどの方が「自分自身が病気を発症している」なんて疑うことはありません。
そこで今回は、下肢静脈瘤がどれだけ私たちの身近に存在する病気なのかを紹介していきたいと思います。
目次
このような症状に悩まされていませんか?
- 足のむくみがつらい。
- いつもなんとなくだるい。
- 疲れやすい。
- 足がつって(こむら返りが起きて)なかなか寝つけない。
それはただの運動不足や睡眠不足、あるいは年齢のせいではないかもしれません。
下肢静脈瘤は実は多彩な症状を引き起こす病気です。
不要な血液がたまった静脈のコブ
下肢静脈瘤とは、足にある静脈の弁が正常に働かなくなり、足に不要な血液がたまった結果さまざまな症状を発症する病気です。
もしかしたら、ふくらはぎがボコボコしているご年配の方を見たことがある方もいるかもしれません。
あのコブは、不要な血液がたまって静脈が異常に膨らんだ結果、生じる症状なのです。
ちなみに、「コブ」は漢字で書くと「瘤」。
下肢静脈瘤とは、足の静脈のコブという意味なのです。
コブにはならない下肢静脈瘤もあります
病名のとおり、ふくらはぎにコブができていれば、あきらかに下肢静脈瘤だとわかります。
昨今たくさんのメディアでも取り上げられているだけあって、コブがある人は自分が下肢静脈瘤だと確信して病院に行くことが多いようです。
しかし一方で、コブにはならない下肢静脈瘤があることをご存じでしょうか。
以下にてコブにはならない下肢静脈瘤を発症している方の例をご紹介します。
足の不調が運動不足や加齢のせいだと思ってあきらめてしまう
自分自身が下肢静脈瘤を発症していることに気づかず、
「なんだか以前より足が重くてだるい気が・・・これが年を取るってことかな~」
なんて判断をしてしまい、結果放置してしまうケースです。
何科に行っていいかわからない
以前から悩んでいた足の症状。
がひどくなってきたから病院を受診したいけど・・・何科に行っていいかわからず、結果放置してしまうケースです。
病院で「気のせいだと思います」と言われた
近所のかかりつけ医や大学病院に相談したけど、「気のせいだと思います」と言われ、症状が治まることのないまま放置してしまうケースです。
つまり、お医者さんでさえ前もって知識がないと、コブがない足を見て「下肢静脈瘤だ!」と見分けられないことがあるのです。
徐々に進行するために自覚しにくい
下肢静脈瘤は、数十年単位で徐々に進行するために、非常に自覚しにくい病気のひとつです。
外見にコブとして現れるのは、病状がかなり進行してからのことなので、それまでは疲れや運動不足、加齢によるものだと思ってしまいがちです。
さらに進行しすぎると、コブが目立たなくなってくるケースもあります。
特に、男性の場合は、女性に比べ、自分の足の状態を頻繁に確認することがあまりないと思いますので、
少々見た目が変わっても気にかけず、結果悪化させてしまうなんてケースも少なくありません。
初期段階ならば怖い病気ではありません
下肢静脈瘤は、初期段階ならば怖い病気ではありません。
良性の病気であり、むくみやだるさ、疲れやすさなどの症状はありますが、命に関わるようなことはないので、過度に恐れる必要はないです。
治療を先延ばしにしてしまうことのデメリット
治療を先延ばしにしてしまうことはデメリットしかありません。
その理由をご紹介していきます。
不快な症状はずっとつづきます
前途でもお話しした通り、不要な血液がたまった結果でできるものなので、当然自然にそれが消えてなくなったりはしません。
なので、残念ながら不快な症状がおさまることはありません。
進行してしまうことで完全にとりきれなくなってしまうことも
さらにコブができるまで進行してしまうと治療したとしてもコブの一部が残ったり、むくみ・皮膚の変色が完全にとれなかったりということがあります。
こういった方のほとんどが「もっと早く治療しておけばよかった」と思うそうです。
肺塞栓症(はいそくせんしょう)につながるリスクも
最近の学会報告ではコブの中で血が固まって血栓(けっせん)となり、
その血栓が静脈と通って肺にまで到達すると命に関わる病気(肺塞栓症・はいそくせんしょう)につながるリスクがあることもわかってきているそうです。
おわりに
下肢静脈瘤は、放っておいて治る病気ではありません。
進行すれば、症状の度合いが増します。
足のだるさで行動するのがおっくうになったり、足を人に見られるのが嫌になったりして、心のどこかがゆううつな気分で毎日が楽しくなくなる方は非常に多いです。
また、足の不調を常に気にかけていたら、仕事にも支障がでるかもしれません。
「こんなに楽になるならもっと早く治療しておけばよかった」と感じるのが下肢静脈瘤の治療です。
「なにかおかしいな」と感じている方は、下肢静脈瘤かどうかなど気にせず、お気軽に専門のクリニックで検診を受けていただきたいと思います。
病状がわかれば治療ができますし、なにもないとわかれば安心できますよ。